①9日付「日経」は、「確定拠出年金、利回り最高」とする解説記事を載せました。記事はリード文の最後に「加入者によって利回りの格差も目立っており、運用の巧拙が老後の生活資金を左右する傾向が強まりそうだ」と結論づけています。
《確定拠出年金》とは、毎月の掛け金(拠出額)が決まっていますが、加入者が自分で株など投資先を選び、運用成績よって年金額が決まる制度です。加入者は株や円・ドルの上がり下がりが気になって仕事どころではなくなるのではないでしょうか。安倍政権が株価の上昇に必死なのは、こんな分野でも支持をひろげようとしている、というのは思い過ごしでしょうか。〈K〉
②インフレ目標達成は、悪夢の始まりだ
『週刊 エコノミスト』5月26日号は、「徴税強化!マイナンバー、出国税、インフレ税」と題する特集を組みました。同誌が発行されたのは、年金データの流出問題が発覚する前ですが「マイナンバーの基礎知識Q&A」で、「情報漏えいの恐れ」に警告を発しています。また、黒田日銀総裁がすすめる「2%インフレ目標達成」について「インフレは目に見えない『増税』であ(り)」「インフレ目標達成は、悪夢の始まりだ」(斉藤満氏)、と厳しく指摘しています。
③マイナンバー 「狙いは社会保障の抑制」
大阪経済大学非常勤講師の黒田充さんは、「しんぶん赤旗」日曜版6月7日付で、「共通番号制の出発点は、自民党政権が長年狙っていた社会保障番号制です。個人の所得やどれくらい医療費がかかったかなどを国が把握し、社会保障の抑制につなげるものです」と断言しています。
いっぽう、「全国商工新聞」6月15日付は、3面全部を使って「マイナンバーの危険な狙い」を総特集しています。紙面には、全国商工団体連合会(全商連)が取り組んでいる「マイナンバー制度実施を延期し、廃止を求める請願」署名用紙が掲載されています。請願趣旨には「個人情報が丸裸にされ、プライバシーが侵害される危険」を指摘するとともに、中小業者に大きな負担を押し付け、大打撃となるとして、廃止を求めています。