消費税をなくす全国の会です
住所
1991年6月29日結成
なくす会ロゴ

どんな会?
会報ノー消費税紹介
消費税Q&A
私の思い・私の怒り
ひろがる草の根
声の広場
声の広場から
あなたも消費税をなくす会に
入会のご案内
運動グッズ紹介
ビラ・署名用紙・学習資料(PDF)
私たちの見解・方針
草の根交流ニュース
W辞任直撃 安倍再増税断念も 内閣支持率下がり決断か
2014年10月22日

W辞任直撃 安倍再増税断念も

内閣支持率下がり決断か


        20141022日(21日発行)  夕刊フジ


 安倍晋三首相が厳しい一面を見せた。醜聞が直撃していた小渕優子前経産相と、松島みどり前法相に「同日辞任」を慰留もなく、容認したのだ。第一次政権で味わった苦い経験から、早期の事態収拾を決断した。ただ、女性2閣僚辞任のダメージは小さくない。4月の消費税増税以降の経済状況も芳しくなく、消費税再増税が延期される可能性が出てきた。


 反転攻勢の道選択したが・・・

2人を任命したのは私であり、任命責任は首相である私にある。国民に深くおわびを申し上げる」

 安倍首相は20日夜、官邸で記者団のインタビューに応じ、頭を下げた。内閣改造からわずか1カ月半、1日で2閣僚を辞任させたのは、政権運営に与える影響を最小限に食い止めるための危機管理といえる。

 官邸は、週刊新潮が先週16日に、小渕氏の関連資金団体の不透明な収支についてスクープする直前に情報をつかんでいた。看板閣僚の「政治とカネ」の疑惑は打撃だったが、官邸中枢は「このタイミングを逃してはならない」といい黙考した。

 その少し前から、松島氏は選挙区内で討議資料を印刷したうちわを配布した問題で、野党の集中砲火を浴びていた。松島氏は国会審議で、事務方が用意した資料を無視するように答えて墓穴を掘り続け、自民党内も「あれほど答弁能力が低いとは・・・」とあきれさせた。

 官邸は先週末、野党の追及にさらされて閣僚が相次いで辞任に追い込まれた第一次政権の「辞任ドミノ」を避けるため、小渕氏と松島氏を一気に辞めさせて、反転攻勢する道を選択したのだ。安倍首相は「日本を立て直す」ため、温情を封印した。

 野党各党は、2閣僚辞任を受け、安倍首相の任命責任を徹底追及する方針だ。辞任した2人についても、衆院政治倫理審議会(政倫審)などの国会の場で説明を要求する。ただ、攻撃対象が閣外に去ったため、野党ベースの国会運営になるかは疑問だ。

 こうしたなか、2閣僚辞任を受けて、来年10月に消費税率を再び引き上げるのは困難になったとの見方が、経済識者の間で強まっている。

 慶応大の金子勝教授は「安倍政権の政策実行能力が低下した」と指摘し、「日本を含めて世界経済は減速が懸念されている。信頼を回復しなければ再増税は難しいだろう」と強調した。

 

自民党内が真っ二つの可能性


 JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは「世論調査で内閣支持率が下がり、反対意見の目立つ再増税は決断が厳しくなった」と危ぶむ。

現に、産経新聞社とFNNが18、19両日に実施した合同世論調査で、内閣支持率は53%で、前回調査(9月6、7実施)に比べて2.7ポイント減。不支持率は37.9%で前回の30.3%を7.6ポイント上回った。

焦点の、消費税再増税については、68.0%(前回比2.6ポイント増)が反対し、賛成は29.8%(同2.3ポイント減)だった。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT、電子版)が19日報じた、安倍首相の独占インタビューも注目されている。同紙によると、安倍首相は税率引き上げについて、「日本はデフレを脱却する機会を手にしているのだから、それを失ってはならない」と説明したという。経済が悪化している場合に引き上げれば税収が伸びず、全ての取り組みは意味がなくなってしまうと述べたというのだ。

これは再増税延期を示唆したものなのか。FT紙の報道を受けてか20日の東京株式市場は大幅に反発し、日経平均株価は1万5000円台を回復した。

米運用大手アライアンス・バーンスタインの村上尚己マーケット・ストラテジストは「安倍首相のFT紙での発言自体は、これまでと変わらないが、海外メディアに独占インタビューさせたことは、マーケットの反応が知りたいので、地ならし的に試したのではないか。20日の大幅反発は米国など海外要因が大きいが、安倍首相の発言も100円程度上積み効果になったと思われる。安倍首相にとっても判断材料の一つになったのではないか」と分析する。

消費税再増税を延期するには、引き上げを延期する法律を国会で成立させなければならない。当然、財政健全化を掲げる財務相をはじめ、与野党の反対勢力を勢いづかせる。場合によっては、自民党内が真っ二つに割れる可能性すらある。

安倍首相としては年末に再増税の判断を控え、難しい舵取りが求められそうだ。