日銀総裁、

　消費税「２段階引き上げで成長は大きく損なわれない」　　　　　　　

　　　2013年7月30日　　　日　　　経

日銀の黒田東彦総裁は29日午後、都内で開いた内外情勢調査会で講演し、政府が９月にも最終判断する消費増税を巡って「２段階の引き上げで日本経済の成長が大きく損なわれることにならない」と強調した。日銀がまとめた「経済・物価情勢の展望（展望リポート）」を例に挙げ、「（2014年度、15年度の）いずれも日本の潜在成長率を上回る成長を遂げる見通しとなっている」と語った。

　日銀が実施している長期国債の買い入れについては「あくまでも物価安定目標の実現のために行っている」と説明。「万が一、これが財政ファイナンス（赤字の穴埋め）と受け取られた場合、リスクプレミアムの拡大から長期金利が上昇し、量的・質的金融緩和の効果が失われる可能性がある」と述べた。政府に対しては「持続可能な財政構造を確立するための取り組みは、日本経済がデフレを脱却し、持続的な成長を達成するうえで必須だ」と求めた。〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕