値上げ深刻な10月―暮らし・営業守る対策を急げ(10月4日「赤旗」)、インボイス3年 今月から制度改悪―納税額1.5倍に増(10月1日「赤旗」)、最長の「景気拡大」―富の集中ただし暮らし安定を(9月30日「赤旗」)
2026年10月4日
【しんぶん赤旗】10月4日<主張>値上げ深刻な10月―暮らし・営業守る対策を急げ
10月に入って物価上昇が一段と深刻化しています。円安や中東情勢悪化に伴う原油・ナフサ由来の値上がりに加え、悪天候による生鮮食料品の価格高騰、政府の補助金終了による電気・ガス料金の上昇などが目白押しです。中小業者やフリーランスを苦しめるインボイス(適格請求書)の軽減策は10月から縮小され、税負担が重くなります。
■消費税すぐ5%に
2日に発表された東京都区部の9月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比2・7%上昇し、8カ月ぶりに2%を上回りました。暮らしの実感では2%どころではありません。生鮮魚介は17・2%、肉類は5%の大幅上昇でした。上下水道料金は29・5%上昇しました。
民間信用調査会社の帝国データバンクによると、10月に主要食品メーカーが予定している値上げは3153品目にのぼります。発泡酒と「第三のビール」の酒税が10月から引き上げられ、店頭価格が上がりました。調味料や加工食品も値上がりします。値上げ要因の9割は原材料高です。
電力大手全10社が10月使用分から料金を引き上げました。東京電力の平均的な家庭の月額料金は1286円上昇し9561円となります。都市ガスへの政府補助も9月いっぱいで終了し、料金が上がりました。
高市早苗政権が臨時国会に提案するのは、2年限り、食料品だけの消費税率引き下げです。2年後には大増税です。食品に限定するため飲食店や農家には大打撃です。
消費税の廃止をめざし、緊急にすべての品目の消費税を5%に下げる恒久減税が必要です。
今年上半期の円安倒産は前年同期比32%も増えました(東京商工リサーチ調べ)。中小企業は雇用の7割を支える日本経済の背骨です。緊急の対策が求められています。
燃料、光熱費、家賃、リース料など固定費への補助、借入金利子や税・社会保険料の支払い猶予など、迅速な資金繰り支援が欠かせません。無担保・無利子で、業績が回復しない場合の債務減免を含む特別融資制度も必要です。
■インボイス廃止を
インボイス制度は2023年10月の導入から3年がたちました。インボイス発行事業者に登録していない免税業者から仕入れた事業者は「経過措置」としてこれまで消費税額を8割控除できましたが、この10月から7割の控除に縮小されました。控除は今後段階的に減らされ、31年9月いっぱいでなくなります。
また、導入後の「激変緩和措置」として、免税業者から課税業者になった個人事業主は、消費税の納付税額を売上高の2割とすることができましたが、この10月から3割にされました。納税額が増えることになります。
軽減策を設けたのは、そもそもインボイスが中小業者、個人事業主に多大な負担をかけるからです。物価高、原材料高で減収減益に苦しむ業者からさらに税を取り立てるなど、まともな政治ではありません。多くの地方議会で制度の廃止や見直しを求める意見書が上がっています。インボイスは廃止すべきです。
【しんぶん赤旗】10月1日インボイス3年 今月から制度改悪―納税額1.5倍に増
消費税のインボイス(適格請求書)制度が開始されて1日で3年です。同日、制度の仕組みが変更され、中小事業者・フリーランスの税負担が増えます。しかし政府は抜本的な対策を講じていません。このままでは負担増に耐えかねて倒産・廃業が加速するおそれがあります。
2023年10月1日の制度開始と同時に、負担軽減措置が設けられ、インボイス発行事業者登録をしていない消費税の免税事業者から仕入れた事業者は消費税額を8割控除できるとされました。しかし、今年10月から7割しか差し引くことができなくなります。制度実施を機に課税事業者になった事業者は納税額を売上税額の2割に抑えることができましたが、同じく10月から3割に改悪され、納税額は1・5倍に増えます。
インボイス制度を考えるフリーランスの会や全国商工団体連合会は制度に反対して署名宣伝や集会、国会議員・省庁への要請行動を展開。中小企業家同友会全国協議会は国への提言で「インボイスは中小・小規模事業者にとっては死活問題」「措置の引き下げには反対」と表明しています。
物価高騰が長引くなか、消費税減税を求める国民世論が広がり、昨年の参院選と今年の衆院選で一大争点に浮上。自民党を含む、ほぼすべての政党が消費税減税を公約に掲げました。
暮らしと経営を守るため、インボイス制度を廃止し、消費税を一律5%に引き下げることが早急に求められています。
【しんぶん赤旗】9月30日<主張>最長の「景気拡大」―富の集中ただし暮らし安定を
「戦後最長の景気拡大」「実感なき景気拡大」と言われます。物価高で暮らしが苦しい中で、景気拡大などと言われても誰が喜べるでしょうか。大企業や超富裕層に富が集中し、生活の苦しい人はさらに貧しくなる―日本経済のゆがんだ姿が表れています。
内閣府が毎月発表している景気動向指数が2020年6月から74カ月連続で拡大を示したことから、これまで最長だった「いざなみ景気」(02年2月~08年2月)を超えたとされます。
景気動向指数は、鉱工業生産指数、商業販売額、営業利益、有効求人倍率といった生産や雇用などに関する指標をもとに景気の動向を判断します。
■停滞する個人消費
しかし、この指標に入っていない実質賃金や個人消費は後退、停滞しています。
実質賃金は統計で連続してさかのぼれる1990年から12%も減っています。実質賃金の算出に用いる物価上昇率(持ち家の帰属家賃を除く)は2022年から4年連続で3%を超え、賃上げが追いつきません。GDP(国内総生産)の5割以上を占める個人消費の実額はほとんど増えていません。
大企業が利益を増やし、株価の上昇で超富裕層が潤っても日本経済は衰退する一方です。物価高騰から生活と営業を守る対策が急務です。
消費税は廃止を目指し、食料品に限定せずすべての品目で税率を5%に引き下げる恒久減税を直ちに実施しなければなりません。財源は、大企業・大資産家への減税・優遇を正すことで確保できます。
最低賃金を直ちに時給1500円に上げ、さらに1700円を目指さなければなりません。地域間格差がない全国一律制が不可欠です。最賃引き上げには中小企業への分厚い直接支援が欠かせません。
■逆行する高市政権
高市早苗政権の政策は、物価や暮らしの対策にまったく逆行しています。2年間、食料品のみ1%にする消費税率引き下げは、減税の名に値しません。2年後に7%の大増税になる上、飲食店や農家に大打撃をもたらします。
「強く豊かな日本」と称して、大企業に15年間370兆円の官民投資で大盤振る舞いします。予算編成でも上限なしの特別枠を設けました。大企業は600兆円近い内部留保をため込んでいます。税金を投入する先が間違っています。
官民投資の中で特に重視されているのが軍需産業です。武器輸出も解禁しました。軍事費は年末の27年度予算案編成で初めて10兆円を超すとみられています。突出した軍事費は社会保障をはじめ暮らしに必要な予算を圧迫します。
巨額のばらまきは財政を悪化させます。すでに金融市場で国債が売られ、長期金利が上昇しています。金利の上昇は国債の利払いを増やし、暮らしの予算にしわ寄せされます。外国為替市場では円安が続き、輸入物価の上昇を通じて物価を押し上げています。
軍事と大企業にばらまく政治に未来はありません。国民の所得が増え、暮らしが安定する社会に改革する政治に転換させなければなりません。

