加速する円安―咼市「積極財政」への懸念深刻(「赤旗」
2026年8月30日
【しんぶん赤旗日曜版】8月30日 加速する円安―咼市「積極財政」への懸念深刻
日米両政府は7月末、28年ぶりに円買いの協調介入を行いました。4月末〜5月にも日本政府は単独で介入しましたが歯止めとならず、一時1㌦=164円近く、約0年ぶりの円安となりました(グラフ)。円安は輸入物価上昇を招き、国民生活を圧迫しています。協調介入で円高が進みましたが、その後も根強い円安が続いています。
市早苗政権発足時の約151円からの急速な円安の要因は、目玉政策「積極財政」への懸念です。大企支援の「成長戦略」、「戦争国家づくり」の大軍拡を掲げました。巨額の財政支出のために財政規律を緩める方針も示し、財政への信認が揺らいで国債が売られ長期金利が上昇(国際価格は下落)、円にも懸念が広がり円安が進みました。
7月公表の経済財政の基本方針(骨太方針)で、今後15年間に370兆円もの官民投資、大企業へのバラマキを決定。一方、大軍拡の分も含めて財源は示していません。財政懸念から国債と円の両方が売られる「日本売り」が進みました。円安是正には、無責任な「積極財政」の転換が急務です。大企業・富裕層への優遇税制を是正して財政を立て直す責任ある財政政策が求められています。
円安には日米間の金利差も影響します。短期的な投機も含め低金利の円を借り高金利のドルを買って、その金利差で稼ぐ取引が進むからです。これを促したのが、日銀に利上げをさせないよう圧力をかける高市政権です。利上げは物価高の時に景気を抑えるものですが、骨太方針でも日銀への圧力が示されたため利上げが遅れる懸念が広がりました。米国中央銀行の利上げ見通しも重なり、日米金利差拡大への思惑の中で円安が進みました。
日銀への圧力で円安を進めるやり方は、安倍晋三政権に通じます。アベノミクスは日銀による異次元金融緩和で円安を加速させ輸出大企業への支援を進めました。日銀への圧力をやめ長年の金融緩和に依存する政策からの脱却が必要です。
より構造的な円安要因は貿易零や海外投資拡大など商売に伴う実需の円売りドル買いの拡大です。近年の貿易赤字は経済基盤となるエネルギー、食料品の輸入拡大が要因です。長年の自民党政権による化石燃料依存と再生可能エネルギー軽視、輸入自由化による自国農業破壊の結果です。
大企業による対外直接投資(海外進出)も円安を進めています。直接投資は増大し、近年は年間30兆円超となりました。国内生産の弱体化による輸出減少、輸入増大は円安に作用します。生産の海外移転の原因は、先進国でも特異な「賃金の上がらない」国となり、消費が振るわず国内需要が低迷したことにあります。
実需による円安を是正するには、経済を土台から立て直す必要があります。大企業優遇から大幅賃上げと中小企業支援を進める政治に転換し、国内投資、内需拡大を進めることが求められます。再エネ拡大と農業の基盤産業化により、エネルギーと食料の自給率を向上させることも重要です。
丸井龍平(まるい・りゆうへい 日本共産党政策委員会)


