デ—タセンター増設 膨大な電力、排熱 住民合意が大前提(「赤旗」)
2026年5月25日
【しんぶん赤旗日曜版】5月24日号 デ—タセンター増設 膨大な電力、排熱 住民合意が大前提
DC=データセンターの建設への反対運動が各地で起きています。高市政権がDCの増設と地方分散を強引に進めているからです。
背景にあるのが生成AI(人工知能)です。DCは生成AIの開発や運用に不可欠な施設で、サーバーやネットワーク機器とそれらを稼働させるための電源設備や冷却装置などで構成されています。
生成AIの急速な普及に伴い、アマゾンやマイクロソフト、グーグルなどアメリカの巨大IT企業が日本でのDC利用を急拡大しています。その動きに合わせてDCの貸し手であるNTTグループは2033年度までに現在160以上あるDCの規模を3倍に増やす計画です。国内企業に加えシンガポールや香港、豪州などの海外企業も日本でのDC建設を進めています。
24時間365日休みなく稼働するDCは大量の電力を使い、発熱量も膨大なため、施設内に非常用発電機や変電設備、高性能冷理衣置が設置されています。
住民のみなさんがDC建設の強行に反対している主な理由も大量の電力消費や、非常用発電機と冷墨置による騒音、排ガス・熱風、低周波振動などによる健康や環境への影響です。
シンガポールで起こった火災事故では、広範囲にわたって住民に避難指示が出されました。DCが一般の事務所•倉庫などと異なることは明白です。
先行する米国ではDCの急増が電力需給をひっ迫させ、電気代が高騰し、批判に直面した企業が原子力発電の活用を表明しています。日本でも、DCの電力需要に応えるため、火力発電所の「炊き増し」や、原発の再稼働促進•新増設を進める動きがあります。DCを理由にした電力需要増→•安定供給確保→原発活用のたくらみは許されません。
国の情報インフラの中枢であるDCは、テロなどの標的となります。実際にイラン戦争では、イランがアラブ首長国連邦(UAE)やバーレーンにある米大手のDCを攻撃したと発表しています。
千葉県流山市や京都府精華町など、住民の粘り強い運動でDC建設強行を阻止した自治体もあります。
東京都江東区は今年3月、「大規模データセンタ—建設計画における話し合いガイドライン」を公表し、排熱や騒音、振動や電磁波といった環境影響、災害や施設管理などの安全や運用面の説明を求めています。
一方で、東京都昭島市では住民の強い反対にもかかわらず、8棟もの巨大DCの建設が進められています。千葉県印西市や東京都日野市では、市当局が大型DCの建設計画を容認してしまいました。「現行のル—ルにのっとっている以上は認めざるを得ない」(印西市)というのです。
DCの建設は住民生活や環境、都市計画へ重大な影響をもたらします。住民の合意が大前提です。同時に各自治体でのゾーニング(区分け)や説明義務•情報開示などのルール作りと合わせ、DCの実態に合わせた包括的な法規制による透明性と安全・安心の確保が必要です。
湯浅和己(ゆあさ•かずみ日本共産党政策委員会)

