消費税減税の実現―大金持ちに課税し財源つくる(「赤旗」)、大阪ダブル選 「茶番」にしか見えない(「東京」)
2026年1月29日
【しんぶん赤旗】1月29日<主張>消費税減税の実現―大金持ちに課税し財源つくる
高市早苗首相が総選挙で、にわかに消費税減税を言い出しました。昨秋の国会では「レジの改修に1年以上かかる」などと言って背を向けていましたが、その発言を撤回。自民党の公約は、2年限定で飲食料品の消費税非課税の「検討を加速」としました。大多数の国民の要求を無視できなくなったかたちです。しかし、「検討を加速」は事実上の先延ばしです。
党首討論会で実施時期や財源を問われた高市首相の発言はブレまくり、第一声では、消費税について一言も触れられませんでした。
解散前、ほとんどの政党が消費税の減税や廃止を主張していました。首相が消費税を減税する気があるなら冒頭解散などせずに、国会を開いて審議すれば消費税の減税は、すぐにでも実現できたはずです。
■世界で広がる流れ
昨年の参院選挙でも野党は何らかの消費税減税を掲げていました。しかし、選挙後、議論は立ち消えになってしまいました。問題は財源です。財源論が消費税減税を実現するカギです。
日本共産党は消費税は廃止をめざし、緊急に5%に引き下げます。大企業や富裕層への行き過ぎた減税と優遇をただす「公正な課税」で財源はつくれます。ニューヨークで米国民主的社会主義者のマムダニ氏を市長に当選させるなど、世界で広がっている「タックス・ザ・リッチ」=「大金持ちに課税を」と歩調を同じくするものです。
日本の大企業と富裕層は税を負担する能力があります。大企業は4年連続で過去最高益を更新中です。これが労働者の賃金や取引企業の単価引き上げにまわらず、株主への配当や株価つり上げの手法である自社株買いと内部留保ばかりにまわっています。株価操作を招く自社株買いは以前は禁止でしたが、規制緩和され現在は解禁です。この2年間で上場企業が自社株買いに使った資金は33兆円で正社員給与総額2年分になります。内部留保は561兆円にも達しています。
■公正な課税をする
自民党政治は、大企業には研究開発減税などの租税特別措置をはじめ、さまざまな優遇税制を用意。富裕層は、金融所得への課税が不当に低い株主優遇税制により、所得1億円を超えると所得税の負担率が逆に下がるという不公平が続いてきました。
消費税の5%への減税は16・3兆円の財源が必要です。これを、法人税率を中小企業は除き23・2%から28%に戻すことで4・3兆円、大企業優遇税制の廃止・縮減などで10兆円、富裕層の株式譲渡所得・配当所得の課税強化2・2兆円などでまかないます。
高市首相は租税特別措置の見直しを財源にあてると言っています。しかし、2026年度の税制改正で租税特別措置の見直しを言いながら、一部を削減しただけで新たな減税策を創設しています。「中道」や国民民主のいう政府系ファンドなど公的資産の運用は、公的な資金をリスクにさらすもので安定財源にはなりません。「大金持ちに課税を」―ここに切り込めるのは日本共産党です。
【東京新聞】1月29日〈社説〉大阪ダブル選 「茶番」にしか見えない
大阪府の吉村洋文知事と大阪市の横山英幸市長がそろって辞職したことに伴い、知事と市長のダブル選が告示された。
衆院選の投開票日に合わせるための突然の出直し選挙。2人が代表・副代表を務める日本維新の会が目指す「大阪都構想」の実現に向けて、民意を問うというが、主要政党は対抗馬も立てておらず、「茶番」ととらえる有権者が多いのではないか。
◆維新の「独り相撲」というほかない
府市の二重行政の弊害や「身を切る改革」を訴えてきた維新が、地元で高い支持を得ていることは間違いない。大阪市を廃し東京23区のような特別区に分割する「大阪都構想」が悲願だが、既に2015年と2020年の住民投票で続けて否決されている。
維新はいったん都構想と距離を置いたが、昨年10月の自民党との連立合意後、東京一極集中を是正する政権の「副首都構想」と都構想の実現をセットで進める方針を示している。2人が突如、辞職の意向を示したのは、「衆院解散」が浮上した今月中旬。任期は今回当選したとしても、ともに来年4月までだ。それまでに3度目の住民投票を目指すというが、有権者が2度にわたりノーを突きつけた事実を軽く見すぎではないか。
地方自治法は行政や選挙の混乱を避けるため、首長が辞職する場合には、あらかじめ一定の準備期間を設けるよう求めているが、2人は辞職表明の翌日、議会にも諮らず、辞職に踏み切った。唐突すぎて、他の主要政党が対抗馬擁立を見送らざるを得なかったのもやむを得まい。それを見越しての戦略だとするならば、選挙の乱用という批判も避けられない。他党が評すように、維新の「独り相撲」というほかない。
◆熟議を重んじる民主主義の前提が崩れるのでは
副首都の候補を事実上、「大阪都」に限定する維新の主張に、名古屋や横浜、福岡など他の大都市から疑問の声が出ているのは当然だ。2度の否決は、大阪市民の明確な意思表示だったはずだ。衆院解散のドタバタに乗じてダブル選を制したとしても、都構想が信任を得たとは無論、言えない。
国政においても、首相の「解散権」が恣意(しい)的に行使されることには批判がある。地方政治にあっても、首長が「勝てそうだから」と選挙の時期を自在に操るような手法が常態化すれば、熟議を重んじる民主主義の前提が崩れるのではないか。選挙が権力者の道具であっていいはずはない。 
