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海図なき世界 経済格差と分断 支え合う社会の再構築を(「毎日」)
2026年1月13日
【毎日新聞】1月13日<社説>海図なき世界 経済格差と分断 支え合う社会の再構築を
 日本経済は株高によって富裕層が潤う一方、物価高で多くの国民の暮らしが圧迫される状況が続いている。懸念されるのは、格差拡大への不満が強まり、社会の分断が深まることだ。
 東京タワーが目の前にそびえる都心の公園で先月、移民政策に反対する集会が開かれた。「消費税反対」を掲げたのぼりも立てられ、寒空の下、100人以上が気勢を上げて街頭デモに繰り出した。
 「大企業の賃上げは高水準だが、中小企業はわずかだ。物価高がきつく、日々の生活で精いっぱい。安い給与で働く外国人が日本に来ると、自分たちの給与が上がらない」と30代の男性は参加した理由を語った。
 建設現場で働くが、給与は最低賃金に近く、年300万円に届くかどうかだ。「貯金に回せず結婚もできない。結婚しても子どもを持てるのか。消費税を廃止し、日本人を支援すべきだ」と訴えた。
 「所得が低く、社会から取り残されたと感じる人たちの不満が物価高で一段と高まっている。矛先は、急速に増えた外国人や、国民に負担を求める財政に向けられている」とニッセイ基礎研究所の鈴木智也准主任研究員は指摘する。
 こうした不満が交流サイト(SNS)で拡散され、一気に噴出したのが最近の国政選挙だ。外国人への規制強化を声高に叫んだり、財源そっちのけで大規模な減税を要求したりする政党が躍進した。
 背景には、戦後の経済成長を支えてきた中間層の衰退がある。
 かつては安定した収入を得られる正社員が多く、「1億総中流」と呼ばれたが、バブル崩壊後に低賃金の非正規労働者が増えた。
 国民の年収の中央値は1995年に550万円だったが、2023年は410万円に低下した。年収400万円未満の世帯の比率は34%から49%と大幅に増えた。
 分断は米欧で深刻だ。米国では製造業が衰退し、「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と呼ばれる地域の人が、移民排斥や減税を訴えるトランプ大統領当選の原動力になった。欧州でも反移民を唱える政党が勢力を拡大する。日本にもその波が押し寄せている。
 しかし、排外主義やばらまき財政は答えにならない。社会や経済の持続性を脅かすからだ。
 日本の人口は今の1億2000万人台が60年代には8000万人台に急減すると国立社会保障・人口問題研究所は推計している。外国人の働き手を確保できなければ、社会の機能を保つのは困難だ。
 国と地方の借金も計1300兆円を超え、先進国で最悪の水準にある。借金頼みが一段と深刻化すれば、社会保障費が急増する超高齢社会を乗り切れなくなる。
 高市早苗首相の対応も危うい。
 外国人政策では規制強化を打ち出している。排外主義の風潮をあおれば、日本が外国人に選ばれなくなる事態も予想される。
 「積極財政」も掲げ、大型補正予算で多額の国債を発行した。金融市場で懸念が広がり、長期金利が急上昇した。国債の利払い費がかさみ、財政を更に苦しくする。
■持続可能な将来像こそ
 東京大の谷口将紀教授は「政治が目先の利益を優先するポピュリズムに陥ってはならない」と警鐘を鳴らす。「疎外感を抱く人が増えたという構造的な問題があり、中間層の再生が必要だ。生活や社会保障が持続可能という展望が得られた時に初めて国民は安心して消費に向かい、経済が安定した成長軌道に乗るのではないか」
 そのためには賃上げの加速が必須だ。政府は企業の生産性向上を後押しするとともに最低賃金の引き上げを図らなければならない。
 所得再分配を拡充する必要もある。国民が負担を分かち合い、支援が必要な人に配分する。減税一辺倒では財政が行き詰まり、助け合いの仕組みが損なわれる。
 外国人と共生する政策の推進も急務だ。日本語教育の拡充や地域社会との交流促進など受け入れ態勢の整備が求められる。
 「豊かな国家の実現には包摂的な制度が欠かせない」と説いたのはノーベル賞を受賞した米経済学者のアセモグル氏だ。公平な政治の下では均等な機会が与えられ、人々は才能や技術を最大限生かせる。持続的な成長につながり、幅広い層に恩恵をもたらすという。
 分断を修復して、支え合う社会を再構築する。国民が安心して暮らせる将来像を示すことが政府の役割である。