租税特別措置点検―大企業の優遇税制こそただせ(「赤旗」)
2025年11月24日
【しんぶん赤旗】11月24日<主張>租税特別措置点検―大企業の優遇税制こそただせ
自民と維新の連立合意書に租税特別措置を総点検し「政策効果の低いものは廃止する」ことが盛り込まれ、年末までにまとめる税制改正大綱の論点の一つとされています。
租税特別措置には中小企業向けの法人税軽減税率もありますが、研究開発減税など大企業向けの優遇税制が多くを占めます。日本共産党は、租税特別措置の抜本的見直しを要求してきました。
■廃止どころか拡充
ところが政府は、大企業向けの租税特別措置を廃止どころか拡充する方針です。21日に閣議決定した総合経済対策に「設備投資・研究開発およびそれらを支える資金調達の多様化を促進」「大胆な設備投資の促進に向けた税制を創設」と盛り込みました。減税規模は年間3千億~4千億円に上ると報じられています。(「毎日」21日付)
「国内投資を積極的に行う企業に対して、…大胆な設備投資減税措置を講じる」(経団連2026年度税制改正提言)とする財界要求を受けたものです。
しかし、巨額の内部留保を抱える大企業の国内投資が進まないのは法人税が高いからではありません。株価至上主義のもとで、投資より株主への配当や株価つり上げのための自社株買いに利益が回されているからです。
租税特別措置は、▽政策目的が失われた後も継続▽特定企業や業界に恩恵が集中する―など弊害が指摘され政府も整理すると言ってきました。ところが、第2次安倍晋三政権以降は逆に拡大し、法人税関係の減税額が毎年2兆円近くにもなっています。
研究開発費の10%程度を法人税から減額する研究開発減税は、ほとんど大企業が利用しています。巨額の研究費を使うのは大企業でなければできないからです。もともと研究費を増やした企業に減税するものでしたが、03年度に研究費を減らしても減税になる制度に大幅拡充されました。
トヨタ自動車1社で、最近の11年間に合計9603億円もの研究開発減税を受けています。多額の内部留保を抱え研究費の調達に困難のない大企業が利用しています。中小企業向けの措置を除いて研究開発減税は廃止すべきです。
賃上げした企業に法人税の税額控除を行う賃上げ減税の多くも大企業が利用しています。過去11年間の実績は約3・5兆円ですが、その4割近くが大企業です。トヨタ自動車1社で少なくとも440億円の減税を受けています。
一方、中小企業のうち対象になっている企業は1割に届きません。赤字で法人税を払っていない企業は対象にならないからです。賃上げ減税は廃止し、中小企業には社会保険料の減免など赤字企業も使える支援策を行うべきです。
■今こそ実行すべき
高市首相は4年前の自民党総裁選の時に、租税特別措置の廃止、法人税率の引き上げを提案しています。日本共産党の小池晃書記局長は6日の参院本会議の代表質問で、「今こそ、従来の主張を実行に移すべき」だと迫りました。
租税特別措置の総点検というなら新たな減税は撤回し、大企業優遇の不公平税制にこそメスを入れるべきです。

