私の思い・私の怒り
ノー消費税 2006.8 第181号

●怒りを力に 私たちの運動が試される時
 木村 直さん
 ( 東京・消費税をなくす江東の会 代表世話人)


 小泉首相の暴言には、いい加減聞き飽きていた私ですが、これはもう許せないと思ったのは、「歳出をドンドン切り詰めていけば、増税してもいいから必要な施策はやってくれという状況になる」という発言です。増税と医療・福祉の負担増で国民を締め上げていけば、国民は消費税増税を受け入れるだろうとの思惑です。
 400年前に徳川家康は「百姓と菜種は搾れば搾るほど出る」と封建領主の本音を語りましたが、小泉首相の頭の中も同じです。この6月には、住民税の増額に、江東区役所の窓口には「間違っているんじゃないか」と問い合わせる人が列をつくり、電話も殺到しました。小泉首相は、この事実を知っているのでしょうか。
 私は78歳ですが、5年前まで小さな印刷業を40年にわたって経営してきました。その間、民主商工会の役員も長くやり、中小企業で働く人びとが、どれほど日本経済の発展を支え、地域社会で大事な役割を担ってきたかをよく知っています。しかし今、中小企業は小泉・自民党・公明党政権の5年間、グローバル化した大企業の利益をまもる経済政策によって徹底的に痛めつけられ、倒産・廃業で、事業所数も従業者数も減りつづけています。
 4千万人を超える中小企業従業者と、その家族の人びとがどれほど生活の前途に不安をもっているかと思うと、居ても立ってもいられない思いの毎日です。

怒りを行動に どんどん打って出よう!

 いま全国に沸き上がっている大増税・大負担への怒りをうけて、怒りを行動へと、消費税をなくす会が、出足早く打って出ることが期待されていると思います。
江東の会は毎月、街頭宣伝をおこなっていますが、1月4日には年始恒例の富岡八幡宮門前です。初詣の人びとに向けて、特別のカラー写真入りのビラを作りました。「富岡八幡宮もご照覧あれ、初詣祈願に『大増税イヤ』を是非!」と「私たちの暮らしをお守りください」と祈願する庶民の気持ちを書きました。このビラは好評でした。

好評だった東京新聞意見広告

 3月には、東京の会が提案した東京新聞紙上の消費税増税反対8千人意見広告に取り組みました。江東の会では180人が連名しましたが、「自分の意見を表明できたのが嬉しい」と語った方もおり、行動の機会をつくることが待たれていることを痛感しました。
6月の宣伝では、この意見広告をコピーして4頁大に拡大したものを、むしろ旗のように掲げ、人目をひきました。その日はまた、ティッシュペーパーにビラをはさんで配りました。受け取りはよく、ふだんの倍でした。2百個で千円の経費がかかりましたが、効果からすると、安いものです。なによりも、私たちにとっては、ビラの受け取りがよいことが励ましになります。

女性の世話人が大きな役割

 こうして年初から出足早い活動のなかで大事な役割をはたしているのは女性の世話人です。江東の会では女性の世話人が多いのですが、家計のやり繰りに苦労されているだけあって、宣伝での訴えも生活感にあふれ、聞く人を感動させる力があり、署名も多く集まります。また対話でも「運動してもムダだよ、上げられちゃうよ」という人に「あきらめちゃダメ、こういう運動をしているから、増税反対の世論調査でも国民の多数が反対だし、現に政府・与党も07年選挙がこわくて『増税先送り』をしているんですよ。がんばって増税をあきらめさせましょう」と女性らしいおだやかな説得と励ましに反発する人はいません。ともにがんばっていこうではありませんか。