私の思い・私の怒り
ノー消費税 2006.7 第180号

●障害者自立支援法で負担増。
 このうえ消費税の増税とは!

 林 たみ子さん (埼玉県越谷市)

 障害者自立支援法が実施されて3ヶ月になろうとしています。  障害者のサービス利用に、原則1割の「応益負担」が課せられることになり、すでに影響が出ています。通所の作業施設では、1万円から3万円もの利用料を支払うことになり、「これでは通えない」と通所を断念する人が全国で増えています。入所者も同じです。10月から再度「改定」があり、利用区分も、ABCの3段階から6段階になり、4段階以下にランクされれば、入所から外されるというのです。いっしょに生活してきた仲間と離れなければならなくなります。
 私は、昨年の通常国会の本会議を傍聴しました。会議が始まっても、扇子をパタパタさせ、論議に集中していなかった自民党の議員など、採決になったらにわかに「賛成」と。
 一体、障害者をとりまく実態など考えようともしていないのではないですか。こういう政治家によって強行実施されたこの法律に、私は心底憤りを覚えています。

障害者年金下がって負担は増える

 私の次男・政臣は31歳。知的障害者です。1995年から、埼玉県みぬま福祉会・白岡太陽の里の知的障害者更正施設に入所してい ます。
 3年前まで年額約100万円だった障害者年金が、今年の通知では、99万100円に減りました。月8万2500円から施設に約6万円払います。行政からの補助も減るため、職員の数を減らすとか、賃金に影響が出るとかしたら、施設運営の根本が揺さぶられることになります。
 太陽の里では、入所者も職員も家族も、みんな「仲間」と呼んでいます。地域の皆さんのあたたかい励ましや援助にも支えられています。こうした運営が危ぶまれているのです。

障害者の家族を持つ家庭の暮らしの現実は

 私の夫は、10年前、52歳で亡くなりました。病床にあって、何も言いませんでしたが、手に政臣の写真を固く握っていました。
 私は今、県営住宅に住み、月11万円の遺族年金と清掃のパートに出て生計を維持しています。障害者年金でまかなえないほどの負担増があれば私自身の生活も成り立たなくなります。今も国民年金は納められません。免除申請をしましたが、それはたいへんでした。役人に「あなたの財産みんな調べますよ」と強く言われました。不正免除問題が社会問題になっていますが、どういう人たちが免除申請もしないのに免除されたのか、不思議です。
 障害者を人として大事にする福祉に消費税は似合わない