私の思い・私の怒り
ノー消費税 2006.6 第179号

●消費税増税と憲法改悪 あいまいにしないで考えたい
 佐藤 真子さん (歌手)

 歌によってたくさんの出会いに恵まれ、そコンサートのチケットには消費税がかかり
の輪が広がっていくことに、この上ない幸せを感じていますます。音楽を愛する者にとって、平和は不可欠です。
 最近「 9条の会」 でうたわせていただくことも多くなりました。
 日の丸の掲揚・君が代の斉唱を強要する風潮の中にあっても、東京の公立小学校の中には、長年にわたって授業の一環として、毎年「3月10 日平和を考える日」を設け、全校生徒に、戦争と平和を考える教育を行っている学校もあり、そうしたところに招かれてうたわせていただきました。子どもたちの感想文には、「戦争は絶対にいけない」 という思いがしっかり書かれていて感動しました。
 あらためて平和教育は大切なものと確信しました。私にも、小学校3年生の娘がいます。子どもたちの未来が平和で豊かなものであってほしいと願っています。

一本の鉛筆があれば8月6日の朝と書く

 「一本の鉛筆」は、美空ひばりさんが第1回広島平和音楽祭で歌われ、今みなさんに愛されている歌です。「一本の鉛筆があれば、戦争は嫌だと私は書く」と続きます。私のコ ンサートでも、必ずリクエストをいただく歌になりました。
 与謝野晶子さんの「君死に給うことなかれ」は、若い方もよく聴いてくださり、反応がとてもいいことに気がつきます。多くの方が、最近の危険な動きに敏感になっていると思えますし、真剣に考える人たちが増えていると実感します。

私は消費税に反対です

 コンサートのチケットには消費税がかかりますので、さらにこれを10% にしようなどとしたら、感動やうるおいをもたらす文化に、知らず知らず影響を与え、豊かな感性は萎えてしまうのではないでしょうか。
 憲法25条で規定した「 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」 とありますが、国がこれを守る義務を放棄することは許されません。日本の消費税は、生活費に課税され、文化、教育、あらゆるサービスに課税されて、所得の低い人ほど負担が重くなる税金ですから、私は反対です。

憲法と、税金と、人を結ぶ草の根運動が大切ですね

 しかし、憲法という点と、消費税という点が別々に切り離されたものと考える向きもあるようにも思えます。憲法が改悪され、日本が戦争をする国にされれば即、そこに国民が
納めた税金が戦争のために使われていくことは明らかです。
 私たちにとって大事な問題が、非常にあいまいな感覚でしか捉えられていないと、日ごろ感じることがあります。「根本はどうなのか」と考えてみるゆとりもなく、現象だけで流されていくことに、私は一番警戒心を持つのです。
 憲法改悪と消費税増税は車の両輪、平和と命を守ることにつながる重要な課題です。人と人との結びつきが薄くなっていると思われるだけに、私はうたうことを通して、私の思いを広げていきたいと思います。