日本経団連の提言への申し入れ(11.11.09)
日本経済団体連合会会長 米倉 弘昌 殿

消費税率引き上げの「提言」を撤回し、
税制でも大企業が社会的責任を果たすよう指導性を発揮してください

 私たち消費税をなくす会は、消費税が導入された翌年 1990年に「消費税はイヤ」「まして増税は困る」という人びとによって結成された個人加盟の市民団体で、会員は152万人をこえ、各地に1700の会があります。いま消費税10%への増税が取り沙汰される中、全国の会員から厳しい反対の声が寄せられています。

 貴団体は、本年3月11日の「社会保障と税・財政の一体改革に向けて―提言」、9月14日の「平成24年度税制改正に関する提言」、9月16日の「経団連成長戦略 2011 」などで、社会保障・税の一体改革を口実に、消費税増税をおこない、一方で法人税の減税をたびたび提言しています。
 消費税率は、2015年度までに10%まで、2020年代半ばまでに10%台後半〜20%台後半を提言しています。
 消費税は低所得者に負担が重い逆進性の強い税金であり、貧困と格差が広がるもとで、増税は、大震災・福島原発事故の被災者を直撃し、復旧・復興をいっそう遅らせるとともに、国民のくらしと日本経済に大打撃を与えます。
 一方、貴団体は、ただちに「法人実効税率の5%引き下げ」を要求するとともに、「早期に30%まで引き下げ」を提言、近い将来、「25%程度まで速やかに引き下げる」ことを求めています 。
 しかし、実際の法人税率は、貴団体の政策責任者が認めているように先進国ではけっして高くなく、法人税と社会保障の企業負担を合わせると、ヨーロッパの先進国と比べ日本は低い水準にあります。

 税金は、生計費非課税、応能負担こそ先進国における民主的税制の原則です。いまヨーロッパでは、大資産家みずから「課税を強化してほしい」との声があがりはじめています。大企業や大資産家だけが栄えても、国民の購買力がなければ経済も社会も発展しないのではないでしょうか。
 貴団体が、国民生活を第一に考えて消費税増税の「提言」を撤回し、税制でも大企業が応分の負担をして社会的責任を果たすために指導性を発揮されるよう要請します。

2011年11月9日
消費税をなくす全国の会
事務局長 牧野 由子
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電話  03-3940-0401 Fax 3949-9885